大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所大法廷 昭和25年(オ)147号 判決

主文

第一、二審の判決を破棄する。

本件訴状を却下する。

訴訟費用は、各審とも上告人等の負担とする。

理由

本件は、団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基づく法務総裁の処分の効力を争うものであるから、本件について日本の裁判所が裁判権を有しないことは、当裁判所昭和二三年(れ)第一八六二号同二四年六月一三日大法廷判決(判例集三巻七号九七四頁)の趣旨に微して明らかである。

それ故この種の訴の提起を受けたときは裁判長は直ちに命令をもつて訴状を却下すべきであり、右の命令に対する抗告事件においては、抗告裁判所の裁判長は直ちに命令をもつて抗告状を却下すべきである。また、右と異る下級審の裁判に対し上訴が提起されたときは、上訴裁判所は直ちに、原判決を取り消し、訴状を却下すべきものである。

よつて、訴訟の総費用は上告人の負担とし、主文のとおり判決する。

この裁判は裁判官全員の一致した意見である。

なお、裁判官真野毅の補足意見は、前記判決においてすでに述べた補足意見の趣意を引用する。

(裁判長裁判官 田中耕太郎 裁判官 塚崎直義 裁判官 長谷川太一郎 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 霜山精一 裁判官 井上登 裁判官 栗山茂 裁判官 真野毅 裁判官 小谷勝重 裁判官 島 保 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 藤田八郎 裁判官 岩松三郎 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例